Sh2-1402017年10月02日 12:16

先週末は、上弦の月が残っていたのですが、晴れた夜がきてきれました。夜半過ぎの空は、すっかり秋から冬の星座が昇ってきます。

そんな中の第一弾として、初秋の対象として、ケフェウス座のSh2-140を狙ってみました。Sh2-140はケフェウス座の散光星雲群の中では、けっして派手な方ではありませんが、淡い星雲が広がり、その中には暗黒星雲も見られ、面白そうなのでチャレンジしてみました。

これを撮影した夜は、結局1時間少々しか安定してくれず、ツインでの撮影で2時間データとなり、ノイジーさが残り残念でした。

BORG77EDII+F4DG (330mm/F4.3) ツイン撮影
Canon EOS6D(SEO Cooled 6D + SEO SP4) HEUIB-II Filter使用 ISO1600 6min x12x2(Total 144min)
ATLUX赤道儀(AGS-1S改) M-GEN Kowa 75mmでガイド
気温13度
RAP2でFLAT&DARK→CS6でRAW現像後TIFF変換→SI7でコンポジット&カブリ補正→CS6合成後強調処理



久しぶりのダブル入選2017年10月05日 08:23

天文ガイド11月号と星ナビ11月号の2誌に、ラッキーな事に入選することができました。ダブルなんて、何年ぶりかと思います。

天文ガイドのほうでは、たて座からへび座尾部の暗黒帯がに採用されました。選評にあるように、「撮影する人が少ない天の川領域」の暗黒帯を撮影したものです。撮影する人が少ないということは、変態マニア領域とも言えます。そこを拾ってくれた、天文ガイドにありがとうと言いたいと思います。家内に見せると「地味~!」と不評でした。印刷も少し暗めでした。

バーナードとかLDNとかのナンバーがあるのですが、すべてを同定することはできませんでした。でも、複雑な暗黒星雲に、萌え萌えとなってしまいます。目を海外に向けると、結構たくさんの作例があるので、海外のほうが変態が多いのかもしれません。日本は、撮影する時間が限られているために、メジャー対象に目が行ってしまいがちです。自分もメジャー対象を主に撮影してきましたが、多くの方が撮影されており、自分の作品は見劣りするばかりです。それよりも、人気のない領域にも面白い(少なくとも自分にはそう感じる)対象が天の川領域には、たくさんあります。ということで、今回も少し変態領域でありますが、入選できて良かったです。天文ガイドの選者は、こういうチャレンジングな領域も、温かい目を向けてくれます。北部のこの領域のみと、南北のモザイクの2作品を送付したのですが、枚数の多い北部で、強調を強くしたこの作品が採用してもらえました。

スキャナーで撮ると暗いので、下の写真は張り付け合成です。


一方、星ナビのほうは、オーストラリア遠征の最終で撮影したSMCでした。低空でしたが、透明度に助けられて、良く写りました。球状星団との対比ということで応募したのが良かったようです。


今年度のフォトコンはこれで終了です。
また、地味な対象や好条件の夜の写真、南天限界をテーマに撮影していきます。

IC2188 (魔女の横顔)2017年10月16日 12:39

10月の新月期も、秋雨前線が停滞して、冷たい雨が降り続いています。
せっかくの地方祭も雨に泣かされています。
当方の10月は、色々と〆切仕事に追われて、空を見る暇がない分体力をそちらに振り向けています。でも、ストレスの解放ができないので、気分は空と同様に晴れない状況です。

昨日、仕事の合間にストレス発散の目的で、今月初めに撮影したものを処理しています。リゲル西側の魔女の横顔を撮影してみました。ツインで撮影したのですが、片側の固定が不良でガイドエラーとなりシングルの撮影となりました。気をつけてはいるのですが、この様な失敗が多いです。そこで、過去に撮影したデータとの合成をしてみました。
リゲル周囲の赤い星雲、北側のくの字のSh2-278、その東側の青白い星雲、さらに淡い赤い星雲があり、興味深いです。しかし、ノイズとの兼ね合いもあり、明瞭に描出するのは難しいです。今回の露光時間は過去のデータと合わせて194分です。しっかりと、ツインで撮影していきたいと思いました。

魔女の横顔ですが、このままの南北方向でも魔女に見えるのですが、南北をひっくり返しても、魔女に見えます。どちらが、一般的な見方なんでしょうね?

撮影データ:
BORG60ED+C0.72X (252mm/F4.2) 2015.12.7撮影
Canon EOS6D SEO SP4 Filterなし ISO1600 7min x14 
BORG77EDII+F4DG (330mm/F4.3) 2017.10.1撮影
Canon EOS6D(SEO Cooled 6D) HEUIB-II Filter使用 ISO1600 6min x16
ATLUX赤道儀(AGS-1S改) M-GEN Kowa 75mmでガイド
RAP2 CS6でTIFF変換 CCD Stack2でコンポジット CS6で強調後、2つの画像を合成



四国星空研究会ミーティング2017年10月23日 20:38

台風21号が接近しているさ中の先週土/日に、香川のまんのう天文台にて、四国星空研究会のミーティングがありました。悪天候の中、四国内外から10名の参加者があり、オーストラリア遠征や北米日食の報告、RC鏡であるGS-200RCの光軸調整などの発表がありました。皆さんの発表は大変興味深くて面白く、刺激となりました。
悪天候であり、カメラも持って行かなかったので、今回の会の写真は撮影していなかったので、文章だけで申しわけありません。

姫路のTさんが、持って来られたGSO(GSと同じ)200RC鏡の光軸調整は、特に興味ある話でした。光軸のあったRC鏡の星像にびっくりでした。ただ、光軸調整のためには、Howie Glatterのレーザーコリメータと高橋のセンタリングしコープを使うとの事。その他、あれこれと工夫をされて、5年で完璧なものにしていったとの事でした。RC鏡自体の潜在能力は高いようですが、調整ができずに宝の持ち腐れ状態が多いとのご指摘で、私の胸にぐさりと刺さりました(汗)。分解するのも、少しコツがいるようです。また、パーツの中で劣化する部分があり、Oリングも5年でダメになるので、モノタロウで同じものを買い付け替えたとか、イモネジもボールスクリューを使うとか、色々とノウハウを紹介していただきました。我が身を振り返ると、退職して時間ができてからでないと、GS-200RCに向き合うことはできそうもありません。

また、APS-サイズのASIの冷却カメラとSS-oneのCMOS Captureを持って来られており、拝見いたしましたが、大変良さげで物欲をそそられました。ASIやZWOのカメラは価格的にも、びっくりするほどの値段ではないので、少しグラグラきました。

夜は、雨音のふりしきるキャビンでの二次会となりました。少し台風の事は心配でしたが、アメダスの方でも時間雨量が大したことなかったので、まず大丈夫ということで、深夜まで話は尽きませんでした。
夜が明けて、解散となるころには風雨ともきつくなってきました。山道を下っていきましたが、落ち葉が多くて、路面が落ち葉で覆われたような状態でした。

お世話になった、Yさん、天文台のY山さん、ありがとうございました。また、機会があれば情報交換の場を持ちたいです。

日曜のお昼には家に帰り着いたのですが、それから風雨がきつくなり、どこへもいけません。少し機材を調整しました。カメラレンズのツイン撮影用のシステムを自由度の高いものにするため、レボルビング装置をもう一つ導入しました。大きな眼鏡の様になりました。LBプレートの在庫が無い様で、とりあえずZプレートを買いましたが、スライドプレートにはうまくつなげませんでした。

これで、APO SonnarとSamyangのツインを撮る予定です。NIKON用のレンズをもう一本買いたいところですが、来年の遠征費用を工面するため、少し考え中です。

ApoSonnarとSamyangでツイン2017年10月29日 15:35

今週末も台風接近で雨の週末となりました。当地では、南岸を通り過ぎた台風が遠ざかっているようで、薄日がさしてきました。進路にあたる地域の方々はご注意ください。

さて、今週は水曜日、木曜日の夜に晴れました。水曜夜は夜半から晴れたようですが、無理せずに見送り、木曜の夜月没後22時から3時間の撮影をしました。木曜夜は、安定した快晴でした。ツイン撮影で、画像データを多く収集する目的で、今回は6DにApoSonnarを付け、D810AにSamyang 135mm/F2を付けて撮影しました。Samyangのレンズは中心部は大変シャープですが、最周辺部は少しコマで流れますが、許容範囲です。少し赤ハロ傾向のあるレンスと思いますが、CPに優れたレンズと思います。

いくつか狙ったのですが、今回は最後に撮影したぎょしゃ座をアップします。両方ともF2.5まで絞って、一コマ2分の18枚ですので、36分間の撮影時間でした。この間に、なぜか2つも135mmの画角内を流星が写り込みました。せっかくなので、これも入れて処理してみました。

撮影データ:
Canon EOS6D (SEO SP4)ISO1600 ApoSonnar 135mm/F2 絞りF2.5 filterなし
Nikon D810A ISO1600 Samyang 135mm/F2 絞り F2.5 filterなし
2min x18 x2 (Total 72min) 
ATLUX赤道儀(AGS-1S改) SS-one Autoguider, Pencil BORG 175mmでガイド
RAP2 CS6でTIFF変換 SI-8でコンポジット&カブリ補正→ CS6で2つの画像を合成後、強調
流星のあるコマのみ比較明合成

主な星雲名を入れました。