2020年の反省(機材編)2021年01月01日 15:31

年末に書く予定でしたが、年末も押し詰まってから風邪をひいてしまいました。コロナではなく、ふつうの風邪の様です。微熱が一晩でただけで、風邪症状も倦怠感もないのですが、何かをする気力がわいてこず、大人しくしておりました。感染には十分気をつけているのですが、どこからかウイルスは侵入してきます。

例年年末に、一年を振り返った反省記事をまとめているのですが、年越しとなってしまいました。
2020年は、コロナ禍のため、3度予定していた豪州遠征がすべてキャンセルとなってしまいました。
導入機材やソフトを挙げていきます。それぞれの印象を一言
① TOPAZ Denoise AI: 効能はあるが、落としどころが難しい感じです。
② 10年間使ってきた観測小屋の除湿機を更新、シンプルな中華製でしたが、一日2時間の除湿を行い、特に故障もなく使っていましたが、見た目も悪くなったので更新。
③ R200SS用エクステンダーPH : これは、テスト結果をアップしていませんが、なかなか優れものです。コマコレPHと合わせて2種の焦点距離を楽しむことができます。
④ ビクセンのスライド雲台プレート: SWAT 300用に買いました。多少形を変えて装着。


⑤ PixInsightのライセンス購入: 未だ勉強途中ですが、これからの画像処理の一つになればという思いと呆け防止用に導入。
⑥ K-ASTEC XY-62 これは主にツイン撮影の鏡筒の光軸を同期させるために購入。秋のツイン撮影に役立った。
⑦ Tamron 35mm/F1.4 Di USD:実売価格に比し、コマ収差の少ない優れものでした。周辺減光の大きさやフラットの作成の難しがありますが、良いレンズです。
⑧ ASI AIR Pro: ASIのCMOS導入を念頭に購入したが、結局年末まで開封もせず。年末セールに買うべきでした。
⑨ Pixus Pro10-Sの故障修理: 修理に23100円かかったけれど、後継機を買い替えるよりは安く済んだ。
⑩ ZWO ASI 294MM  Pro: フォーサーズの冷却CMOSで、1x1ビニングと2x2ビニングを選択でき、1台で2台分もおいしさがありそうで購入。
⑪ ZWO Filter Wheel 8: 31.7mmのものが使えるので、これにしました。
⑫ ASI 120MMmini:ASI 120 MMは、ASI AIR PROでは使えず、年末セールで安いのもあって購入。ASI 120MMは、これまでどおりSS Oneオートガイダーでの使用に用いる予定。
⑬ ZWO EOSマウント:とりあえずの接続用に購入

年始の今現在、ダークライブラリー作成中
1x1ビニング(8288x5644) GAIN120 Temp 0℃ 5minから作成中

2021年がどんな年になるかは、予測がつきません。
医療関係者からワクチン接種が行わわれるとのことで、2月か3月には、始まるとの予測もあります。アナフィラキシーの副作用報告もあり、欧米での副作用報告を十分収集したのち、安全性と効果について検証ができたのちに開始されればと思います。
人口の多い三大都市圏の現状を見ると、人の移動を止めない限りは感染拡大をストップする手立てはなさそうです。変異ウイルスが増えると、感染爆発となりそうな恐れもあります。若い人は軽く済む場合が多いですが、我々の年代ではどうなるか不明です。重症化リスクはある程度明確になっていますが、個人個人の状況は罹らないとわかりません。できることならば、罹りたくありません。
心配や不安は尽きませんが、とりあえずは天文活動を続けることができればと願うばかりです。

2020年の反省(撮影編)2021年01月01日 16:31

2020年の撮影回数は例年に比し、少なくなりました。
コロナ拡大の影響で、海外遠征のキャンセル、母の死去による影響などです。
2月と3月の新月期の海遠征
その後8月までは撮影できませんでした。
8月のお盆休みに2回の山遠征をしました。
ようやく10月、11月に小屋での撮影を再開できました。それも、体調を維持するために、徹夜での撮影は控えていました。
そんな中での撮影でした。

結果として形となったのは3作品となります。
東亜天文学会の学会誌の天界2月号の表紙になりました。
これは、豪州遠征のお世話をしただいている香川のA氏と知己なったことが理由になるかと思います。2月号の表紙で、そのころベテルギウスの減光が話題となった時期でした。撮影は2019年の秋で、減光の前でした。


2月の海遠征で撮影したものが、天文ガイド6月号に採用されました。
この火急は、その後の同時流星の観測記録から、詳細が明らかとなりました。

2020年天文ガイド11月号に、お盆の山遠征で撮影した銀河アーチを採用してもらいました。

お盆休みに、母がくれた快晴の満天の夜空ではなかったかと思います。

その後は秋にテストを兼ねた撮影をしましたが、フィルターを加えて、ツイン撮影をしたりして、淡いものを描出する様にしたのですが、少し限界を感じました。
ミラーレス一眼を導入することも考えたのですが、撮像が昔と比べてより簡単にできるようになったCMOSカメラを選択しました。

ぎょしゃ座の散光星雲2021年01月19日 18:23

ぎょしゃ座には多くの散光星雲があります。5角形の内部には、あかるい勾玉(IC405)やどくろ星雲(IC410)、ありくい星雲(Sh2-230)、その他大小のSharplessナンバーがあります。
少しはずれて、超新星残骸のSh2-240がありますが、これはブロードバンドでは、なかなか細かなフィラメント構造として写りづらいです。O-III成分もあるのですが、さらに淡くて写りづらい対象です。
昨年の秋に撮影したものを今頃処理してアップしました。

なかなか思うような像にはなってくれません。やはりここは、ナローバンドデータを組み合わせないと難しい領域です。今回の画像は、STC  Astroduo narrowbande filterとKenko LRP Type 2のTwin撮影データになります。

#1 EOS 6D (SEO Cooled) ISO 3200  
旧Sonnar 135mm/F2.8 絞り解放, STC Astroduo narrow band filter 7min x 18 (Total 126min)
#2 EOS 6D(HKIR改) ISO800
APO Sonnar 135mm/F2 絞りF2.8, Kenko LRP Type2 7min x18 (Total 126min)
ATLUX赤道儀(AGS-1S改) M-GEN Kowa 75mmでガイド
気温7℃
#1,#2の画像をRAP2, SI7, CS6で強調処理、ブレンド比率を#1を50%、#2を50%で合成

覚えのマップです

寒いのと、体調管理のため、撮影しておりません。熱がでたり、体調不良になると、出勤できない状態で迷惑をかけてしまいます。

以下はぼやきですのでスルーしてください。

当地でも、年明けからコロナ患者の報告が増えています。
三大都市圏での、日々の患者の数を見るにつけて、恐れていた事態になっていると感じます。コロナ患者の受け入れが難しくなっています。病床を増やせば、どうにかなると思っている人が多いようですが、それに対応するだけの人手が足りないのです。都会では、入院できずに自宅待機となっている患者が多いと報告されています。感染後、ある時期から急変するのが、コロナ肺炎の特徴です。軽症とされている人が急変してしまい、手遅れになるケースがマスコミ等で報じられています。その割合は高齢者ほど多く、持病のある方に生じやすいので、ハイリスク患者は自宅待機ではなく、施設での観察が望ましいのです。それができなくなっている状況が怖いです。

また、コロナ以外の疾患や救急患者の対応ができなくなっているのではと心配です。日常診療を行うことで、多くの患者が救われているのですが、それが十分できなくなることで、医療崩壊となってしまいます。コロナだけが病気ではありません。なんとか、現状が改善されることを願うばかりです。