BORG125SD+TAKAHASHI1.04xマルフラットナーでM452020年02月07日 19:16

BORG125SDに異種格闘技となるタカハシ1.04xマルチフラットナーを付けてM45スバルを撮影してみました。元々の焦点距離750mmに1.04xで780mmとなり、F6.24となります。タカハシのサイトでの星像の大きさは、FC50やFC60での補正は素晴らしいのですが、焦点距離がのびるに従い、少しずつ悪くなる傾向でした。

実写した感じでは、思ったよりは良好で、ε160にデジタル対応の補正レンズをいれたものと、星像の大きさは大きな差はなかったです。昔導入したBORGの1.08xのフラットナーよりは、はるかに良い感じでした。
780mmのガイドですが、ATLUX(AGS1S改造)でしたのですが、75mmでのM-GENでのガイドは比較的良好で、QHY 5L-IIとPHD2 Guidingのほうは、イマイチでした。On cameraでのガイドよりもASCOMでのガイドのほうが良いのかもしれません。少し設定を変更した方がよさそうです。F6.24で5分撮影では、周囲の淡い部分の描写はイマイチでしたが、星雲内部のうねりは、焦点距離のおかげである程度描写されました。

撮影データ:Canon EOS6D(HKIR改)ISO1600 AutoWB
BORG125SD+TAKAHASHI 1.04Xマルチフラットナー HEUIB-II 5min x16 (total 80min)
ATLUX赤道儀(AGS-1S改) M-GEN Kowa 75mmでガイド
気温2℃
RAP2でFLAT&DARK→CS6でRAW現像後TIFF変換→SI8でコンポジット→CS6で強調処理

ピクセル等倍画像です。
スケアリングの問題もなさそうです。

今年は暖冬ですが、新月期はもう一つのお天気で、遠征に行く機会がありません。なんとか、豪州遠征までに、一度海遠征に出かけたいものです。

大気光と冬銀河2020年02月25日 18:42

23日の天皇誕生日に、冬の遠征地である、佐田岬半島に行ってきました。好天に恵まれましたが、成果の方はイマイチでした。
世間では、新型コロナウイルスの拡散で、大都市圏を中心に患者が急増しています。今後どうなるか、大変心配しております。2009年のH5N1の新型インフルエンザの時は、その年11月までに170万人の患者報告がありました。同じくらいの感染力があるとすれば、今後爆発的に患者が増えるかもしれません。肺炎リスクや死亡リスクは、それよりも大きいと考えられ、今後の感染予防には、十分な配慮が必要と思われる状況です。政府からの基本方針も策定されましたが、なかなか難しい問題を含んでいると思います。

そんな世間の不安とは別に、夜空の星は大変綺麗でした。
魚眼レンズで撮影すると、淡い冬の銀河が南のほうに伸びています。ガム星雲の部分は赤いのですが、それとは別の帯状のカブリが出ています。これは、大気光と思われます。この夜は、これがかなり目立ちました。

撮影データ:Canon EOS6D(HKIR改造) Auto WB, ISO1600
Canon EF 8-15mm/F4L, 14mm F4 5minx3
SWAT300 ノータッチガイド

大気光のGIFアニメです。


さて、今年も豪州遠征を予定しているのですが、どうなるか不安な状況です。せっかくオーストラリアまで行っても、日本人は入国拒否になる可能性もあるかもと心配しています。
また、飛行機という密閉空間での長時間のフライト自体も感染リスクがあるので、これも心配です。4月の遠征まで2ケ月となりましたが、今後の情勢を注視していきたいです。

STC Astro Duo-Narrowband FilterでGUM2020年02月26日 18:57

天皇誕生日の海遠征の主目的は、APO Sonnarで上記フィルターを装着してGUM星雲を撮影することでした。このフィルターは1㎜厚で、光路延長の影響が少ないので、星像の悪化が少ないと期待できます。生産中止となったIDASの玄天QROもフィルター厚が通常の2.5mmに比べて1.1mmと少なく、レンズ後面にフィルターを入れても星像への影響が少ないです。フルサイズ用のフィルター枠のタイプもありますが、けっこう高価なので、私は、52mmや48mmサイズを導入しています。

今回はSEO Cooled 6Dに後部フィルターを入れての撮影としました。国内からの撮影では、高度が低いので撮影時間が少なくなります。今回の撮影の前半のコマは、レボルビングの固定が不良で画像回転が起きてしまいました。なので、当初の撮影予定の2時間の半分の9コマしか使えずノイジーとなりました。そこを、最近話題のTOPAZ DeNoise AIのお世話になりました。

2020.2.23 22:09~ @佐田岬半島
Canon EOS6D (SEO Cooled 6D)ISO1600 Auto WB ApoSonnar 135mm/F2 絞りF2.8 
STC Astro Duo-Narrowband Filter 7min x9 (Total 63min)
VIXEN GPD (SS-one Autoguider Pro For GP) Pencil BORG + ASI120MM SS-one AutoguiderでのAutoguide
RAP2 CS6でTIFF変換 SI-7でコンポジット&カブリ補正→ CS6、TOPAZ Denoise AIなどで処理

処理してみて、低空でのO3の減衰がやはり強かったです。いかにフィルターでコントラストを上げても、限界を感じました。ここを撮る目安は、とも座のζ星(右上の青い星)、ほ座のλ星(画面左の赤い星)、ほ座γ2星(画面右下の青い星)からなる3角形を目安にしますが、γ2星は南中高度が9度くらいです。10度以下でのO3は大変厳しいです。

この雪辱に、オーストラリアで撮影したいと思っていますが、世間の状況が不安です。