無事に戻りました。2017年05月31日 20:12

南天遠征から、戻りました。

月曜の夕方に関西国際空港に到着し、その後夜行バスに乗って、四国まで戻りました。昨日は引き続き、お休みをもらっていました。昨日午後には、四国に遠征されたGENTAさんと、大三島の西のかなたさんの訪問もあり、天文談義で楽しく過ごさせてもらいました。私のホームグラウンドである観測小屋も見てもらいました。

南天の星々は、日本で見る星とは次元が異なっていました。光害がないので、どれだけ暗いのかなと想像していたのですが、この季節の南天は暗夜というイメージとは全く違いました。まず、明るくコントラスよく見える(輝くと言っても良い)天の川に驚きました。天の川のアーチが天頂付近に昇ってくると、星明りで自分の影が見えます。この星空を見ることができただけで、遠征の目的の半分以上果たせたと感じました。普段国内で、光害の少ない四国の空で撮影しているのですが、それとも比較にならない凄い空でした。普段の自分は、PM2.5にまみれた汚い空気の底から星をみているのだと感じました。

一方、液晶モニターに映し出される画像は、カブリのないハイコントラストの画像がポンと出てきます。こんな好条件の空で撮影することができたのは初めての経験です。今回の遠征での成果ですが、初めての遠征で色々と対策を練っていたのですが、いくつかトラブルが生じて、計画通りの撮影を進めることができませんでした。反省と課題を残した初めての遠征となってしまいました。おいおい、その辺の事情について述べていきたいと思います。

本日アップする写真は、暫定処理のものですが、基本的には空が良いので、強い処理をしなくとも、そこそこ見ることのできる写真になってしまいます。暗い空、明るい星とのコントラストが良好で、SN比のきわめて良好な画像データを得ることができます。カブリも少ないので、カブリ補正が要りません。日本で撮るのと比べると、光害、PM2.5の少なさを実感しました。

アップした写真のイメージは、比較的早い時間帯の南天銀河とさそりまでを魚眼で収めてみたものです。イーターカリーナは肉眼でもこの辺かなとわかります。そして南十字とコールサック。さそり南部につながる暗黒帯が見えて、大変興奮しました。この感動を文章でうまく表現できないもどかしさを感じます。
撮影データ:Canon EOS6D (Starshop新改造) ISO1600 
EF 8-15mm/F4L 15mm 絞りF4 3min x2を加算 (total 6min)
SKYMEMO S ノータッチガイド
CS6でTIFF化→SI7でコンポジット→CS6で仕上げ

大変暗い空で、コントラス良く写るので、背面モニターの見え方で、つい露光を控えてしまいました。F4だとISO1600で6分程度を標準露光とすべきでした。3分露光だと、ヒストグラム上では露光が全然足りていません。そこで、3分露光2枚を加算したデータを処理しています。なので、ほぼ一枚画像のデータと同じです。それほど強調せずとも、調子を整えるだけで、ここまで写ってくるのは驚異です。さそり座東部付近が明るいのは対日照かもしれません。もう少しデータがあるので、フラットやダーク引処理をしたものをコンポして、完成版を作っていく予定です。今回の画像データは不備のあるものが多くて、どこまで救済できるかというのが多いです。

今回の遠征を実現することができたのは、徳島のHさん、香川のAさんをはじめとして、たくさんの方々のおかげでした。この様な素晴らしい星空と出会うことができて、大変幸せな時間を共有することができました。この場を借りて、深謝したいと思います。
また、ブログやSNSで交流のあったYさん、Naさん、Niさんにもお会いできてうれしかったです。その他参加された方々にも、御礼を申しあげます。それぞれの方の南天の取り組み方も、大変興味深く、新たな楽しみ方を示唆されました。正直言って、今回の遠征は、反省と課題の多いものとなりました。成果については、本当にイマイチとなってしまいました。これは、また南天の星々が雪辱に来なさいと言っているのだと考えています。また機会があったら、是非とも行きたいと願っています。




コメント

_ yatsu ― 2017年06月01日 20:50

NIKON1957さん、

オーストラリア遠征、おつかれさまでした。
曇った日もありましたが、南天の星空を満喫できましたね。

NIKON1957さんともう少しお話ができたらよかったのですが、私は余裕がなくて、撮影だけでいっぱいいっぱいでした。

今年は、曇天の他に、機材の不備もあり、撮影できたのはたったの3天体だけです。これから慎重に画像処理を進めたいと思います。

最終日にケアンズからマリーバにプチ遠征し、Vela SNRに挑戦しましたが、失敗でした。あの日のマリーバは、非常に湿度が高く、機材はびしょ濡れになり、高度30度以下は靄っていました。結局、無風快晴だったにもかかわらず、Vela SNRはほとんど写りませんでした。(薄明終了直後の19:20から露光開始し、6分×25枚撮りましたが、写ったのは最初の数枚だけでした。)

マリーバは熱帯雨林の近くということもあり、湿度が高いのかもしれません。また、光害も少しありました。チラゴー遠征の最終日は、ケアンズからマリーバに行くよりは、チラゴーに留まって撮影した方がよい、と個人的には思いました。

来年ですが、機会がありましたら、また南天遠征したいです。

_ NIKON1957 ― 2017年06月02日 19:33

yatsuさん、こんばんは。
本当に良い空と巡り会う事ができて、大変幸せな時間を過ごす事ができました。
私も、撮影中は、まったく余裕がなくて、背中から大変だぞ~というオーラを発していたような気がします。
制限のある機材での撮影で、不安がいっぱいでしたが、カメラレンズ側の撮影は大変不満が残りました。週末にフラットを作成して、ぼちぼち処理を進めていく予定です。Vela SNRは、十分なデータではありませんが、撮影しています。20時過ぎには撮影開始できるようになった2日目と3日目のデータが少しあります。どこまで出るかわかりませんが、処理してみるつもりです。今回は、一対象にあまり時間をかけずに網羅的に撮影する予定でした。それでも、フォーカスや構図の甘いものが多くて、モノになる画像が少なそうです。
マリーバでの撮影はチラゴーに比べると、湿気も多く、光害もあって条件的には良くないかもしれません。きっと来年も行くことになると思っていますが、色々と雪辱を果たしたいと思っているところです。

_ yatsu ― 2017年06月02日 23:05

NIKON1957さん、こんばんは。
夕食を摂られてからの撮影地入りにもかかわらず、20時過ぎに露光開始とは、流石です。夕食も摂らずに準備していた私はなんだったのでしょう?(笑)
Vela SNRの完成を楽しみにしております。私も、余裕ができたらVela SNRの処理してみます。数枚でどこまで出るかわかりませんが、・・・。
今年は1天体に多くの時間を要したため、3天体しか写真(データ)がありません。早くも、来年のことが気になっております。

_ てげてげ ― 2017年06月03日 11:07

豪州遠征お疲れ様でした。
大人数での遠征だったのですね。

トータル6分でも十分な写りのような感じがします。
PM2.5がないクリアな空が羨ましいです。
遠征の作品を楽しみにしています!

_ NIKON1957 ― 2017年06月04日 15:13

今回の遠征は、極軸合わせを含め、初めての事が多くて、思うように撮影をできませんでした。Vela SNRは、そんなに画像データが多いわけではありませんが、酸素輝線の青がどこまで出るものか確認の意味あいです。
すべてにおいて、もう少し余裕を持って撮影できれば良かったと反省しているところです。

_ NIKON1957 ― 2017年06月04日 15:16

てげてげさん、こんにちは。
本当に良い空でした。こんな空で撮影できて、至福の時間を持つことができました。日本の空は、PM2.5の影響を免れる日は大変少ないです。
来年からも、年に一度は南天遠征をしたいと強く思うようになりました。

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