ぎょしゃ座の散光星雲2021年01月19日 18:23

ぎょしゃ座には多くの散光星雲があります。5角形の内部には、あかるい勾玉(IC405)やどくろ星雲(IC410)、ありくい星雲(Sh2-230)、その他大小のSharplessナンバーがあります。
少しはずれて、超新星残骸のSh2-240がありますが、これはブロードバンドでは、なかなか細かなフィラメント構造として写りづらいです。O-III成分もあるのですが、さらに淡くて写りづらい対象です。
昨年の秋に撮影したものを今頃処理してアップしました。

なかなか思うような像にはなってくれません。やはりここは、ナローバンドデータを組み合わせないと難しい領域です。今回の画像は、STC  Astroduo narrowbande filterとKenko LRP Type 2のTwin撮影データになります。

#1 EOS 6D (SEO Cooled) ISO 3200  
旧Sonnar 135mm/F2.8 絞り解放, STC Astroduo narrow band filter 7min x 18 (Total 126min)
#2 EOS 6D(HKIR改) ISO800
APO Sonnar 135mm/F2 絞りF2.8, Kenko LRP Type2 7min x18 (Total 126min)
ATLUX赤道儀(AGS-1S改) M-GEN Kowa 75mmでガイド
気温7℃
#1,#2の画像をRAP2, SI7, CS6で強調処理、ブレンド比率を#1を50%、#2を50%で合成

覚えのマップです

寒いのと、体調管理のため、撮影しておりません。熱がでたり、体調不良になると、出勤できない状態で迷惑をかけてしまいます。

以下はぼやきですのでスルーしてください。

当地でも、年明けからコロナ患者の報告が増えています。
三大都市圏での、日々の患者の数を見るにつけて、恐れていた事態になっていると感じます。コロナ患者の受け入れが難しくなっています。病床を増やせば、どうにかなると思っている人が多いようですが、それに対応するだけの人手が足りないのです。都会では、入院できずに自宅待機となっている患者が多いと報告されています。感染後、ある時期から急変するのが、コロナ肺炎の特徴です。軽症とされている人が急変してしまい、手遅れになるケースがマスコミ等で報じられています。その割合は高齢者ほど多く、持病のある方に生じやすいので、ハイリスク患者は自宅待機ではなく、施設での観察が望ましいのです。それができなくなっている状況が怖いです。

また、コロナ以外の疾患や救急患者の対応ができなくなっているのではと心配です。日常診療を行うことで、多くの患者が救われているのですが、それが十分できなくなることで、医療崩壊となってしまいます。コロナだけが病気ではありません。なんとか、現状が改善されることを願うばかりです。

2020年の反省(撮影編)2021年01月01日 16:31

2020年の撮影回数は例年に比し、少なくなりました。
コロナ拡大の影響で、海外遠征のキャンセル、母の死去による影響などです。
2月と3月の新月期の海遠征
その後8月までは撮影できませんでした。
8月のお盆休みに2回の山遠征をしました。
ようやく10月、11月に小屋での撮影を再開できました。それも、体調を維持するために、徹夜での撮影は控えていました。
そんな中での撮影でした。

結果として形となったのは3作品となります。
東亜天文学会の学会誌の天界2月号の表紙になりました。
これは、豪州遠征のお世話をしただいている香川のA氏と知己なったことが理由になるかと思います。2月号の表紙で、そのころベテルギウスの減光が話題となった時期でした。撮影は2019年の秋で、減光の前でした。


2月の海遠征で撮影したものが、天文ガイド6月号に採用されました。
この火急は、その後の同時流星の観測記録から、詳細が明らかとなりました。

2020年天文ガイド11月号に、お盆の山遠征で撮影した銀河アーチを採用してもらいました。

お盆休みに、母がくれた快晴の満天の夜空ではなかったかと思います。

その後は秋にテストを兼ねた撮影をしましたが、フィルターを加えて、ツイン撮影をしたりして、淡いものを描出する様にしたのですが、少し限界を感じました。
ミラーレス一眼を導入することも考えたのですが、撮像が昔と比べてより簡単にできるようになったCMOSカメラを選択しました。

vdB14, vdB152020年12月22日 17:26

年末になりました。今年も残すところ10日を切ってしまいました。
世間では、コロナの感染拡大に歯止めがかからず、不安な年末年始となっています。四国は、人口が少ないため、現状では散発的に患者発生がみられている状況が続いています。

今頃10月に撮影したものを処理しています。カシオペア座ときりん座の境界付近にあるマイナー領域です。淡い領域で、描写するのは、なかなか大変です。10月には、ツイン撮影で撮影時間を稼ぐようにしました。

撮影データ:
#1 EOS 6D (SEO SP4) ISO 1600  
BORG77ED-II +F4DG + HEUIB-II filter 6min x 17 (Total 102min)
#2 EOS 6D(Starshop新改造) ISO 1600
BORG77ED-II +F4DG + LPS-D1 filter 6min x 16 (Total 102min)
ATLUX赤道儀(AGS-1S改) M-GEN Kowa 75mmでガイド
気温7℃
#1,#2の画像をRAP2, SI7, CS6で強調処理、ブレンド比率を#1を50%、#2を50%で合成

とりあえずわかる範囲でのマークを入れました。




Sh2-140付近の散光星雲と暗黒星雲2020年12月15日 17:31

10月に撮影したのですが、色々とあって処理が遅れていました。

ここは、以前から気になる領域でした。何度か撮影したのですが、満足に撮影できたことがありません。今回は、BORG77ED-IIのツイン撮影でした。片方は、HEUIB-II, 片方はLPS-D1での撮影でした。赤い星雲は良く出てくれるのですが、青い成分は写りが悪くなりました。デジカメで、綺麗に描写するのは、やはり難しいです。

撮影データ:
#1 EOS 6D (SEO SP4) ISO 1600  
BORG77ED-II +F4DG + HEUIB-II filter 6min x 16 (Total 96min)
#2 EOS 6D(Starshop新改造) ISO 1600
BORG77ED-II +F4DG + LPS-D1 filter 6min x 16 (Total 96min)
ATLUX赤道儀(AGS-1S改) M-GEN Kowa 75mmでガイド
気温7℃
#1,#2の画像をRAP2, SI7, CS6で強調処理、ブレンド比率を#1を50%、#2を50%で合成

淡い対象ですが、色々なものが写っています。わかる範囲で、同定しました。


今年はコロナに始まり、コロナで終わる一年になりそうです。
日々、睡眠不足にならないように気を付けています。そのため、遅い時間の撮影はしていません。11月は、けっこう忙しくて、ほとんど撮影できませんでした。12月にもチャンスは何度かあったのですが、自粛中です。
地方では、大都市圏の様な多くの患者が発生することはありませんが、地方都市にもじわじわと感染者が増えています。この年末年始は、どこへも行かず。子供たちも帰省せず、自粛生活になりそうです。
ストレスのためや、予定していた海外遠征が中止となり、少し物欲モードになっています。
当初は、ミラーレスデジタルカメラを考えていたのですが、デジカメでの撮影には少し限界を感じています。冷却CCDカメラとしてQSI583WSは持っていたのですが、撮影時間が十分とれず、死蔵状態でした。ミラーレスデジタルカメラの代わりに、最近はやりの冷却CMOSカメラを買う気になっています。センサーサイズが同じフォーサーズのASI294MMに傾いています。2x2ビニングでの1170万画素の撮影に加えて、1x1ビニングで4680万画素でも撮れるとの事で、高解像度の写真を撮れるとの情報にそそられています。フィルターも手持ちのもので、賄えるのも良さそうです。まずは、ASI AIR PROを導入しました。
今年も残すところ、半月となりました。健康に留意して、来年も元気で撮影できるようにと思っています。

きりん座-ペルセウス座-ぎょしゃ座境界付近2020年11月17日 18:33

きりん座、ペルセウス座、ぎょしゃ座の境界には、淡いSharplessナンバーの散光星雲、暗黒星雲、散開星雲が点在する領域です。秋から冬の銀河のはしっこの地味な変態領域です。今回は新旧のSonnar135mmのツイン撮影で長時間露光で撮影してみました。画像処理技術が拙いので、なんとか時間でカバーしてみようという事でした。
一つは、APO Sonnarに投げ売りとなった77mmのKenko LRP Type2を入れたものです。もう一つは、旧型のZeiss SonnarにSTC Astroduo narrow band filterを装着して撮影しました。

超新星残骸と言われているSh2-221の青いところが少しでも出ないかと思ったのですが、デジ一の6Dには難物でした。

撮影データ:
#1 EOS 6D (SEO Cooled) ISO 3200  
Sonnar 135mm/F2.8 絞り解放, STC Astroduo narrow band filter 7min x 34 (Total 238min)
#2 EOS 6D(HKIR改) ISO 800
APO Sonnar 135mm/F2 絞りF2.8, Kenko LRP Type2 7min x34 (Total 238min)
ATLUX赤道儀(AGS-1S改) M-GEN Kowa 75mmでガイド
気温7℃
#1,#2の画像をRAP2, SI7, CS6で強調処理、ブレンド比率を#1を70%、#2を30%で合成

いつものように主な対象にマークをいれました。

綺麗かと言われると、なんとも言えないのですが、寒い中4時間かけて撮影したので、アップします。

変態領域なので、広角で撮影したものもマップとして入れておきます。