へび座尾部の暗黒帯 ― 2016年06月05日 13:11
へび座という名前からと、あまり明るい星もないので、注目されることのない星座となります。
へび座尾部は、たて座の西側にあり、暗黒帯として認識できますが地味な領域です。しかし、暗黒星雲の好きな私は、何度も撮影を試みている領域です。普通に撮影すると、暗黒帯には散光星雲が散在していますが、ここは少ないために、あまり撮影もされていない領域です。
広角で撮影したら、こんな感じです。たて座の濃いところの西側に暗黒帯があるのが良くわかります。
淡い星雲を描写するには、長時間露光とかなり強調した画像処理を必要とします。夏場の短い夜、こんな地味な所を撮影している暇がないのですが、今週良く晴 れたので、アポゾナーで撮影してみました。上記画像の枠内を少しだけアップしてみます。なかなか思うようなイメージとはなりませんが、アップします。
Carl Zeiss APO Sonnar 135mm/F2.0 絞りF2.8 150sec x20 (total 50min)
TAKAHASHI EM200 (AGS-1X改) M-GEN+Kowa 75mmディザーガイド
気温14度
RAP2でフラット&ダーク処理→CS6でRAW現像TIFF化→DSSでコンポジット→SI7でカブリ補正→CS6で強調処理
昨日、西日本は梅雨入りとなりましたが、しばらくは我慢の日々となるでしょう。ポチリヌス菌の増殖が起こりやすいので、気をつける必要があります。
コメント
_ yatsu ― 2016年06月12日 13:15
_ NIKON1957 ― 2016年06月13日 20:30
暗黒星雲の部分は、普通に撮影すると黒く何にも無いように見えますが、淡いガスで満ちていて、長時間の撮影(多数枚のコンポジット)で、大変淡い星雲が見えてきます。このへび座付近を撮影したもので、Astroimageのすごい写真があります。
http://www.tvdavisastropics.com/astroimages-1_000101.htm
暗黒帯のなかは、淡いガスに満ちているので、彼岸花や出目金の周りも、色々な色の淡い星雲が背景のあるものと思います。
_ yatsu ― 2016年06月13日 22:00
ご助言をいただき、ありがとうございます。
Astroimageの写真を拝見しましたが、本当にデリケートな色と階調ですね。鏡筒はFSQ(F5)のようですが、冷却CCDで8時間も露光してはじめて炙りだされるのですね。
その場所にそういう構造があることを知らないと、せっかく写っても、ノイズやカブリと間違えて消してしまいそうです。勉強になりました。撮影計画を立てたり画像処理をする時には、優れた作例を参考にしたいと思います。
_ NIKON1957 ― 2016年06月14日 12:33
_ yatsu ― 2016年06月14日 23:50
透明度に恵まれた夜に、天頂付近を長時間露光するとなると、なかなかチャンスがなさそうですね。でも、チャンスがあれば、挑戦してみたいです。
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この領域は、背景の空(=構造がなく抜けた部分)が全くない写野ですね。
先日、ヒガンバナ&出目金を撮影した際に感じたことですが、このような写野の場合、暗黒帯をどういう色にしたらよいか悩みました。ニュートラルグレーでよいのでしょうか?それとも固有の色があるのでしょうか?