ε160でM332017年12月03日 11:27

例年M33を撮っています。撮影システムのチェックとして撮りました。やはり、ε160(fl = 530, F3.3)は大変良い鏡筒です。新補正レンズだと40mmのイメージサークルで15ミクロン以下の星像となります。

一方、同じくらいの焦点で使うことの多いBORG125SD+F4DG(fl = 488, F3.9)では、40mmのイメージサークル10ミクロン以内に収まるとされています。実写した印象では、εはこれと同じくらいの星像と感じます。屈折のほうが、取りまわしが楽であることや、光軸調整に気を遣わなくても良い点、フラットが作成しやすいなので、メリットがあります。色収差に関しては、反射光学系のεのほうが少ないと感じます。中央遮蔽があるので、明るさは同じ程度で、実力的には、ほぼイーブンかなと思います。

今回アップするのは、今回撮影したデータが少なくてノイジーなので、以前BORG125SDで撮影したデータを重ねました。実際重ねてみて、微恒星の星のサイズは同じくらいでした。

撮影データ1:タカハシε160(新補正レンズ)
NIKON D810A Filterなし ISO1600  6min x4 
ATLUX赤道儀(AGS-1S改) SS-one Autoguider BORG50+ASI120MM
撮影データ2(2010年9月撮影):BORG125SD + F4DG 10min x4
Canon EOS 50D (Central DS改) ISO800 HEUIB FF使用
EM200(AGS1-X仕様) DSI-Pro+PHD Guidingでのオートガイド
RAP2 → CS6でTIFF変換 → SI-7でコンポジット&カブリ補正 → CS6で合成後補正、トリミングしています

自分で光軸調整して、本来の性能を引き出した鏡筒で、ちゃんと撮影できる状態を確認で来たことが良かったです。フォーカスは、D810Aの拡大できるライブビューとバーチノフマスクで、ピントの山はわかりやすいと感じました。上級のε180EDはF2.8と明るく、フォーカスが大変シビアですが、160はそこまでシビアではなく、光軸の追い込みのほうも、自分レベルは、こんなものかと思います。
こういうメジャーな対象は、これまでにたくさんの作例があるので、システムの評価にはぴったりでした。


オリオン右手付近の散光星雲2017年12月05日 21:16

華やかなオリオン座ですが、ふたご座との境界付近、右手にあたるところに小ぶりの散光星雲がいくつかあります。

モンキー星雲はそのユニークな形状と明るさから有名ですが、その南にも愛らしい団子三兄弟の様な星雲があります。本当は5兄弟の様ですが、ぱっと見は三つが目立ちます。その下方に、Sh2-261があります。その近くには、暗黒星雲もあります。

撮影データ ①: BORG77EDII+F4DG (330mm/F4.3) ツイン撮影
Canon EOS6D(SEO Cooled 6D + SEO SP4) HEUIB-II Filter使用 ISO1600 6min x8 x2(Total 96min)
ATLUX赤道儀(AGS-1S改) M-GEN Kowa 75mmでガイド

撮影データ②(2014年12月撮影): Canon EOS6D(SEO-SP4) ISO1600
BORG77EDII+F4DG (330mm/F4.3)+フィルターなし  6min x12(Total 72min)
ATLUX赤道儀(AGS-1S改) Pencil BORG+DSI-Pro PHD Guiding

①と②とも
RAP2でダーク&FLAT→CS6でRAW現像後TIFF→SI7でコンポジット&カブリ補正→CS6で合成後仕上げ

星雲名です



エンゼルフィッシュ(Sh2-264)2017年12月12日 19:50

12月になりましたが、寒い日が続いています。ラニャーニャが発生しているようで、これが11月後半からの寒さの原因との事です。冬型の天気になると、寒気の吹込みのため、当地では雲が多くて撮影することができません。先月撮影したデータを処理しました。

欲張って背びれ部分とエンジェルの餌(Sh2-263)を入れた構図としたのですが、大変不安定でした。ツインの片方は、固定不良のためかガイドエラーを生じ使えませんでした。

撮影データ: BORG77EDII+F4DG (330mm/F4.3)
Canon EOS6D(SEO SP4) HEUIB-II Filter使用 ISO1600 6min x18(Total 108min)
ATLUX赤道儀(AGS-1S改) M-GEN Kowa 75mmでガイド

これでは、残念画像でアップするのをためらっていたのですが、2014年の画像データを使うことにしました。
合成したものが下の画像です。


なんとか継ぎ目もわかりにくくなりました。


ぎょしゃ座付近の銀河2017年12月25日 21:39

先週木曜の夜、少しだけ晴れたので、広角で撮影しました。
ぎょしゃ座付近の銀河をEF35mm/F1.4 L-IIで適当に撮ってみたものです。点在する散光星雲、複雑にからむ暗黒星雲や分子雲など、やはり天の川領域はどう撮っても面白いと感じます。この南には冬の銀河がつながっていきます。また、良い空の下で、じっくりと撮影したいと思います。

撮影データ Canon EF35mm/F1.4L II 絞りF2.2
Canon EOS6D(Starshop新改造) 90sec x30 (Total 45min)
 ATLUXノータッチガイド
気温 2度
RAP2でDARK→CS6でRAW現像後TIFF変換→SI8でコンポジット&カブリ&周辺減光補正→CS6合成後強調処理


なかなか仕事とお天気の噛み合わない日々が続きます。もうすぐ今年も終わってしまいます。

ぎょしゃ座の散光星雲2017年12月27日 19:54

まが玉星雲付近を11月初めに撮影していたのですが、アップします。

この領域には、結構青い成分が含まれていますが、HEUIB IIで撮影すると、少し出方が弱い様に感じました。今回青い部分を意図的に強調してみました。

撮影データ: BORG77EDII+F4DG (330mm/F4.3)
Canon EOS6D(SEO SP4) HEUIB-II Filter使用 ISO1600 6min x15(Total 90min)
ATLUX赤道儀(AGS-1S改) M-GEN Kowa 75mmでガイド


追記
私が感じていたことを、他の人も同様に感じていたのだと思い安心しました。青成分強調前の画像をアップしておきます。


BORG77ED-II+F4DGでのツインシステムで撮影していますが、二つの鏡筒のセンター合わせにガイドマウントを利用しているのですが、緩むのか時々ガイドエラーを生じます。今回も一つが流れてしまい。シングルでの撮影となりました。次回からはノーフィルターとHEUIB-IIやノーフィルターとLPS-D1などの組み合わせも試してみようかと思っています。