北天分子雲2016年02月14日 11:21

2月になり、夜半も過ぎると、冬の星座は西へ傾いてしまい、少し寂しげな春の星座が昇ってきます。春の星座には、多くの系外星雲があり、長焦点での撮影が必要となってきます。それ以外に狙うべき対象として、北天の分子雲があります。M81とM82の近くにあるものは、通称「大王イカ」とも言われています。

今回初めて撮影しましたが、やはり淡い星雲でした。分子雲の多くがそうであるように、色が乗りづらく、モノクロームでの撮影の様になりました。M81とM82が飛んでしまわない程度の強調としました。
撮影データ:Canon EOS6D (SEO-SP4) ISO1600
BORG 77ED-II + F4DG twin system
HEUIB-II で7min x17,LPS-D1 7min x13 総露出時間3時間30分
EM200(AGS-1X改) M-GEN+Kowa75mmでsnake modeでのデイザーガイド
RAP2でダーク&フラット→CS6でRAW現像→SI7でコンポジッ&カブリ補正→CS6で2つのコンポ画像を自動整列と変形機能で微調整でコンポ→その後CS6で強調

以下は姉妹ブログのヤフーブログのほうでMr.JDISさんからのご質問があったので補足です。

淡いものの処理の私のやり方です。赤い星雲とは限りません。

まずは
①画像データーを強調処理に耐えるだけ、たくさん撮影する。分子雲では最低30枚以上を用意しています。
②次に、良好なフラットを作成して、フラット処理を行う。
③それでも強調すると、カブリやムラが出てくるので、下処理として、コンポジットした画像のムラを十分取り除きます。そのためには、マスク処理をしたりして、背景部分はできるだけフラットになるようにします。

淡いものの強調はほんまかさん流です。星雲選択マスクの作成によるものです。
http://honmaka.cocolog-nifty.com/blog/2010/09/112-b9b9.html に詳しく紹介されています。

赤いものの強調では、白黒化したときレッドとマゼンタをメインに選択しますが、こういう色ものではないときは選択せずに、デフォルトのままにして白黒にします。
そして、明るさの最小値フィルターを使い、星雲選択をします。微光星がなくなり、それをマスク画像としますが、マスク画像を適度に処理して用います。これを星雲選択マスクとして利用します。主にトーンカーブマスクで淡いところを持ち上げています。
たぶん、色々な手法があるのだろうと思うのですが、この方法が私には理解しやすく、良く使っています。

今回の分子雲も、淡いので強調すると破綻しやすいです。ノイズで、ややもすると、汚く見えてきます。淡いものを描出するときは、背景や星が汚くならないように注意が必要と感じます。

コメント

_ yatsu ― 2016年02月14日 20:01

NIKON1957さん、こんばんは。

この領域にはこのような分子雲があるのですね。煙のようで、柔らかい雲が心地よいです。じっくりと拝見いたしました。

私にはこのような高度な写真は無理ですが、処理の方法は今後の参考にさせていただきます。(コピーさせていただきました。)

ちょうどM82の写真をFBにアップいたしました。とりあえず撮ってみたというレベルすが、お時間のあるときにコメント、ご指導いただけたらと思います。

_ NIKON1957 ― 2016年02月14日 22:49

yatsuさん、こんばんは。
Facebookのお写真拝見しました。いずれも、大変シャープなイメージで良いと思いました。FSQ106EDに加えてミューロンまでお使いなのですね。長焦点での撮影や系外星雲の処理は、自分自身はまだまだと思っています。この領域には、散光星雲なんかとは違う処理も必要と思っています。

_ yatsu ― 2016年02月16日 00:19

NIKON1957さん、こんばんは。

写真を見ていただき、ありがとうございます。なかなか納得のゆく写真ができないのですが、同じ趣味の方々と交流しながら楽しくやっております。

μ-210は眼視用として愛用しておりますが、撮影にも使用しております。レデューサーをつけても焦点距離1965mmと長いのですが、オフアキシスガイドですとEM-200でもなんとか撮影に使えるようです。F9.3とたいへん暗いのが悩みです。

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
石鎚山は何県にありますか?回答は〇〇県と

コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://ishizuchi1957.asablo.jp/blog/2016/02/14/8018111/tb