天文ガイド6月号に採用2020年05月05日 08:27

3月の連休の時に、海遠征したときに撮影した「昇るさそりと火球」が、久しぶりに、フォトコンに入選しました。

最近のフォトコンは、大変ハードルが高くて、なかなか採用されませんが、今回は緑色に輝く火球のおかげで採用されました。海まで行って、大きな火球を見ることができ、その作品が掲載されて、大変良かったです。2020年3月21日の天リフギャラリーFB分室には、佐田岬半島の対岸の大分の佐賀関で撮影された同時流星と思われる写真がアップされています。そちらも合わせてみてもらえたらと思います。

昇るさそりと一緒に撮影していたのは、おおかみ座の暗黒星雲でした。さそりの東にある星雲で、国内では低空のために、あまり注目されることがありません。ここをしっかり撮影できればと思い設定したフレーミングでした。

少し明るくして、流星のコマをはずしたデータで、おおかみ座のマップを作製しました。
四角のフレームは、下のB228とその周りの分子雲の写野です。

国内では早春に撮影すべき対象となりますが、低空のため難しい対象になります。
下の写真は2018年に豪州遠征したときの写真になります。暗黒星雲のまわりに分子雲が広がっています。こういう対象は得意とは言えないのですが、そそられます。

連休も残すところ明日までとなりました。満月期ということや自粛中ということで、自宅でだらだらとのんびりしております。
そんななか、崩壊したアトラス彗星の代わりにスワン彗星 C/2020 F8が長い尾を引いている写真がネットでアップされています。南天ではそこそこ見えるみたいですが、国内では低空で難しそうです。月も大きいので、なお難しそうです。
近日点は5月27日で、これからしばらくは情報に注意していきたいと思います。

エビ星雲(IC4628)再処理2020年05月02日 17:55

非常事態宣言の自粛のなか、連休後半の始まりです。今日午前中は仕事していましたが(この時期大変ありがたいことです)。午後から連休に突入です。
先週末からの晴天続きの夜も、体調保持と自粛との関係で、撮影に行くこともなく、早寝早起きの日々でした。
こういうときは、画像処理をして気を紛らわすのが良いです。
特に新しい、テクニックがあるわけではないのですが、背景のかぶりを整えたり、彩度をアップしてみたり、DeNoise AIやStarnet++を試してみたりと、あれこれやってみました。
ノイズを消すと、細部が無くなるという、諸刃の刃でどこまで使うかの手加減が必要だと思いました。できることならば、十分なデータを元にして、画像処理するのがベストという基本になります。

今回処理するのは、さそり座の低いところのエビ星雲付近です。肉眼では赤い星雲は見えないでのですが、ここは双眼鏡で見ると、NGC6231などの散開星団が宝石のようにみえて大変きれいです。今回は星色を残すべく処理しています。

2017年5月に初めて豪州遠征したときに撮影したものになります。

星雲や暗黒星雲に名前を入れています。
Dark Towerの色にそそられます。
Gum55(RCW113)の南部の名もない暗黒帯のなかに複雑な淡いガスと暗黒星雲があります。こんなところに萌えてしまいます。
また、豪州でしっかりと撮影したいと思う領域です。



再処理その2:Colorful Coalsack2020年04月22日 17:54

2018年に撮影したCoalsackを再処理してみました。
今回あえて、カラフルな石炭袋と題名をいれました。

宮沢賢治の銀河鉄道の夜ではこのように書かれているCoalsackです。
「あ、あすこ石炭袋だよ。そらの孔だよ。」カムパネルラが少しそっちを避けるようにしながら天の川のひととこを指さしました。ジョバンニはそっちを見てまるでぎくっとしてしまいました。天の川の一とこに大きなまっくらな孔がどほんとあいているのです。その底がどれほど深いかその奥に何があるかいくら眼をこすってのぞいてもなんにも見えずただ眼がしんしんと痛むのでした。

確かに肉眼では、何にも無さそうな暗い穴に見えるのですが、今の機材で撮影して、画像処理をすると色々なものが写ります。

再処理してみて、赤い星雲を同定しました。Gum ナンバーやRCWナンバーのついた小さなH-II領域や淡いのがたくさんあります。ナンバーを同定できないものまであります。Acruxの隣の淡い赤い星雲は、Milky Way Exploreでは、Ge300.8 +0.3 Ge300.0 +0.4となっています。このGeが何かわかっていません。
Sharplessカタログはとても有名ですが、南天の途中で切れています。
Gumカタログは、Colin S Gumにより1955年に発表された南天のH-II領域のカタログです。RCWカタログは、Rodgers Campbell Whiteoakカタログで、1960年に上記の三人により発表されました。かなりオーバーラップもあります。Originalの論文は、ネットで検索すれば入手可能です。103a-Eにフィルターを入れて撮影した画像を利用して、H-II領域をリストアップしたものです。


自粛のなか、再処理2020年04月16日 18:52

新型コロナウイルス感染の拡大が止まらない状況が続いています。ついに全国的な緊急事態宣言が発出されるとの事。大型連休をにらんだ、人の移動を抑制するための方策かと想像しています。
もちろん大都市圏での感染抑制は大切ですが、医療資源の乏しい地方にまで、感染が拡大すれば大変な事になります。

ということで、日々体温測定をして、睡眠と栄養をしっかりとり、体調管理をしております。月が小さくなってきたのですが、撮影にもいかずに我慢しています。コロナ感染がなければ、今週末には豪州遠征の予定でしたが、残念なことになりました。
ということで、過去の画像をいじって慰めとしております。

2年前のバランディーンのTwinstar Guesthouseで撮影した南天の銀座ともいうべきところです。

彩度をアップして、淡いH-II領域を強調しています。コールサック周囲にも。淡い星雲が広がっています。コールサック自体も肉眼では黒い石炭袋ですが、異なる様相を呈します。

もう一枚は、イータカリーナの東の星雲群です。少ない枚数で、初回の処理では、無理せずにあっさりと終わっていたのですが、DeNoise AIを利用して、少しきつめの処理をしてみました。


どこをどの画角で撮影しても大変美しいと感じました。

以下は、またもやぼやきです。
全国民に一律10万円の支給が検討されているようです。これまでの所得の減った世帯に30万円を支給するとの方針から転換したようです。単純に計算して、これにかかる費用は12兆円となりますが、結局のところは借金まみれの国からの支出で、議員さんの懐は全然痛ません。
このつけは後で、国民に回されることになります。アベノマスクに460億円を無駄遣いして、今度は12兆円かと、なんとも、やりきれない気持ちとなります。必要なところに、お金を使って欲しいと思います。

標準レンズでDual Narrowbandフィルター2020年04月10日 18:28

干渉系の光害カットフィルターでは、入射角により色ずれや色ムラが起きるため、カメラレンズでは使いづらいことが多いです。特に、広角レンズでは、その傾向が強く出ます。
前回遠征時に、50mmレンズでSTC Dual Norrowband Filterを使い撮影してみました。この日は超低空の透明度は良くなく、O-IIIは減衰が酷くて、Dual Narrowbandの恩恵はほとんどありませんでしたが、周辺の星像は良好でした。
多分、広角レンズでも使えるのではと思います。しかしながら、広角での撮影で、ナロー撮影すべき対象は限られているので、メリットは少ないかもしれません。これを使ったものとブロードバンドを組み合わせてみるのが多分良さそうです。

撮影データ:Canon EOS6D(Seo Cooled 6D改造) Auto WB, ISO 2000
SIGMA 50mm/F1.4 Art 絞りF2.8 STC Dual Narrowband filter 5min x16 (total 80min)
SWAT300 ノータッチガイド

以下の駄文はぼやきです。

緊急事態宣言が首都圏や大阪、兵庫、福岡などの7都道府県に今週火曜に宣言されました。
ウイルスの伝搬は、人を通じて行われるわけで、他の人とのコンタクトを極力少なくすることが、この疾患の蔓延を防ぐ唯一の方法という事になります。しかし、その内容や人々の反応は満足いくものではなく、8割の接触減を狙っている様ですが、現状はどうも程遠い様です。
ただちにその効果は出るはずもありませんが、東京では連日180名を超える新規患者報告があります。しかも、感染経路不明の患者が多くなっています。首都圏でのオーバーシュートは不可避の状態になっているのではと恐れます。首都圏では、急増する患者に対して、軽症患者はホテルや自宅待機が指示されています。増え続ける中等症や重症患者の対応は、首都圏の医療資源を以ってしても難しくなるかもしれません。人工呼吸器やECMOで対応できる患者は限られ、重症者のなかでその恩恵にあずかれない人も出てきて、海外で見られる年齢などによるトリアージが生じる恐れがあり、すなわち医療崩壊を意味することになります。

新型コロナの終息には、第1波の後、第2波もあり、少なくとも半年から1年はかかると予想される。アビガンなどの治験が終わり、有症状患者、合併症のあるハイリスク患者、高齢者などに早期から投与できるようになれば、重症化率や死亡率が減ると期待していますが、その治験も緊急時の対応とは言えないスピード感です。一方で、ワクチンは開発に時間がかかっているようですが、このワクチン開発や休業補償にお金を集約してほしいと思います。ジョークの様な全世帯への2枚配布されるアベノマスクに400億円以上もかけるのは、個人的には残念な事に感じます。お金は、活きる使い方をして欲しいと感じます。

今週末も、自宅で粛々と、大人しく過ごす予定です。何とか、春に季節を楽しむようになりたいと切に願うばかりである。