南天遠征日記42017年06月08日 20:59

5月28日(日)

最終夜は、好条件で朝まで撮影できました。今回の遠征3夜目にして、2台体制で撮影することができ、ようやく安堵できました。撮影の最後のコマは午前4時20分終了となりました。最後に撮ったのは、小マゼラン星雲でした。その日の朝9時にチェックアウトとの予定だったので、撮影を終えて撤収して戻り、荷物をパッキングしたりしました。午前6時過ぎにとりあえずのパッキングを終えて、シャワーを浴びて、少しだけ仮眠しました。
9時前に起きて、残っている食料を食べて、ゲストスペースでコーヒーをいただきました。3日間の滞在費と夕食をカードで精算しました。
荷物を車に積み込んで、最後にみんなで記念撮影ができました。9時過ぎに、チラゴーを後にしてケアンズに戻ることになりました。
最初は私が運転をしました。帰り路ということで、先行車はどんどん進んで行き、マリーバも越えてRainforestationまで行き、そこでトイレ休憩とドライバー交代となりました。その後ケアンズ市内まで戻りつきました。
ケアンズに戻り、まず最初にしたことは、レンタカーの洗車でした。レンタカーのもともとの契約には、未舗装路を走るというのはないらしく、赤土の埃で汚れたまま返却すると、思わぬ料金が後から引き落としされる事があるとの事で、洗車をしました。2ドルのコインを入れると、高圧洗浄で洗車できるのは日本と同じです。泡の分と水の分で、2回もすれば、ぴかぴかになりました。

その後、昼ごはんをケアンズのラーメン屋さん(がんばらんば)で食べました。人気店のようで、15分ほどの待ってからの入店となりました。オーストラリアということを割り引いても、美味しく感じました。


その後、日本のHIS経由で予約していたCoral Tree Inにチェックインしました。日本人のフロントスタッフで、なんの問題もなし。その後疲れもあって、夕方まで寝てしまう。夜の集合時刻の5時半には、Hくん起きてこれず、電話で起こすことになった。レンタカー3台のうち、2台は別のホテルに宿泊しました。そのうち、NmuraさんとYさんは、午後3時に最終日の夜もマリーバで撮影するために、出発されたとの事。その熱意に感心しました。私は、最終日の疲れの度合いと天秤にかけて、寝ることを選択しました。もしも第3夜目に十分撮影できていなかったら、行くことになったでしょう。

夜は、みんなでケアンズのRaw Prawnというレストランで食べました。もうお肉は良いかなと思い、Aさんの注文したシーフードパスタを食べました。日本語メニューや日本人スタッフがいるのが、ありがたいと感じました。お値段は、税金やチップを考えなくともよくて、大変明朗なところが欧米とは異なりました。なので、一人一人別々に支払うことも問題ありませんでした。
その後ホテルに戻り、疲れを癒して、明日の荷物をきちんと片づける。やはり39.5kgはストレスを感じる重さでした。

5月29日(月)
朝イチで、起きてチェックアウト。その後、ガソリンを満タンに入れて空港へ行く。
出発カウンター前の降車スペースで荷物を降ろす。H君は空港を少し回ってレンタカーの駐車場まで車を返却へいく。指定されたスペースにはすでに他の車があったそうな。翌日には、レンタカー会社よりこれだけかかったとメールで連絡があったとの事。特に余分な請求もなかったとの事で良かったです。

ケアンズの搭乗手続きは成田便と一緒になるとの事であったが、大変スムーズにできた。荷物を預けて搭乗口近くにあるスペースで、食事をしたり、みんなでPCを囲んで、成果について話し合ったりで、あっという間に搭乗の時間がやってきました。午後1時の出発前に、搭乗口近くの軽食コーナーで食事をとっておくのが良い思いました。やはり帰り便も食事は不要と思いました。

搭乗口近辺の売店で、少しだけお土産を買いました。今回荷物制限で、お土産はないよと言っていましたが、ここで買う荷物は重量に入らないとの事でした。ただ、市内のスーパーのお値段の倍以上になります。

今回、座席を指定する際に、非常口近くの足元スペースの広いところの席を選択していたのですが、緊急時にはスタッフの手助けをする必要があります。この事は理解していました。ケアンズでの最後の、乗り込み時に英語で何か質問されるが、十分聞き取れず、とっさの返事ができませんでした。この事で、お前は緊急時に使い物にならなないかもと思われました。搭乗口の係員に引き連れられ、キャビンアテンダントのところまで連れていかれました。CAの人の英語がわかりやすく、緊急時になすべきことは理解していることを説明でき、問題なく予約してある席へ行って座ることができました。英語で急に言われて、英語で返事をすることのレスポンスが大変悪くなっている自分を自覚しました。このあたりに、年を感じてしまうのでした。

帰り便は、ほぼ昼間の時間帯の飛行であったが、熱帯付近は雲が多くて眺めはイマイチでした。その後はなんの問題もなく、13時発(日本時間12時)で、7時間少々で関空にまで到着する。

ちょうどたそがれ時に関空に到着するが、大変濁った空に夕日が沈んでいった。

関空での入国、その後の荷物の引き取り、税関審査も問題なく通過し、無事帰国できた。
最後に、みんなで夕食に「さぬきうどん」を食べた。多くの荷物を抱えて状態であったが、集団での行動ゆえに、荷物を互いに見てもらえるのありがたかった。夕食を終えた時点で午後20時半を過ぎていた。松山に帰る手段はバスか鉄路となる。荷物が多くて重いので、バスを選択した。帰りも、荷物の一つは宅急便で送ろうかと思ったが、節約することにした。関空での乗り込みの際、リムジンバスでの預けいれ荷物が3つというのは、ルール違反との事であったが、混んでいなかったので、多めに見てくれてOKであった。
関空から大阪駅まで移動して、夜間高速バスで愛媛まで戻りました。到着したのは火曜の午前6時でした。長いようであっという間の遠征は終了となりました。

初めての事なので、わからない事やとまどう事など色々ありましたが、大きなトラブルもなく無事に戻れてよかったです。オーストラリアやNZは、時差が少なく楽と思います。夜起きて撮影するというパターンですが、早朝から昼まで寝て、午睡も取ることで、つらくはありませんでした。移動のレンタカーですが、基本的に日本と同じ右ハンドル、左側通行で違和感なく運転できます。ケアンズ周囲のRound About交差点のみ事前にチェックしておけば大丈夫そうです。
次回は来年の事になりそうですが、毎年リピーターとしていきたいと感じました。

ほぼ、自分のために記録でしたが、お付き合いいただいた方には、感謝します。
天体写真のほうは、処理を終えたものから、ぼつぼつですがアップしていきます。

イーターカリーナ (Eta Carinae)2017年06月09日 20:05

BORG77EDII+F4DGの直焦点で撮影したものもアップしていきます。この鏡筒は対物レンズと補正レンズをばらして、大事に背中に負って南天に持っていきました。使い慣れている筒なので、安心感のある組み合わせでした。
ガイドするGP2のほうは極軸合わせも問題なく、M-GENも問題なく、ほとんどのコマは安定していました。残念ながら、少し重いカメラのため、フォーカスやスケアリングで、問題のあるものが多くなりました。この辺に余裕のなさを感じました。

さて、南天といえば、この星雲を外すことはできませんでした。
とても明るい星雲で中心部はすぐに飽和してしまうと聞いていたので、少し露光時間を短めの3minにして撮影しました。
どう処理を進めるかですが、中心部を飽和させずに、周囲の淡い部分も出したいところです。しかし、この明るい星雲は、あまり色々といじったりせずに、背景を整えていくだけでも良いのではと思いました。結局正解の色はわかりませんでした。

BORG77EDII+F4DG (330mm/F4.3)
Canon EOS6D(SEO Cooled 6D; USB 5Vで弱冷却)+Filterなし ISO1600 3min x25(Total 75min)
GP2赤道儀(AGS-1S改) M-GEN Kowa 75mmでガイド
RAP2でFLAT&DARK→CS6でRAW現像後TIFF変換→CS7でコンポジット&カブリ補正→CS6で強調処理

せっかくなので、中心部の切り抜き画像もアップします。



きょしちょう座の小マゼラン雲とNGC1042017年06月11日 11:00

今回の南天遠征で最後に撮影したのは、小マゼラン星雲でした。

高度20度少々でしたが、明け方の温度低下もあり、夜露の恐れもあったので低空のこれを撮影しました。今回の遠征では、結局夜露のヒーターは使わずに過ごしました。電源の余裕がなくなったのも、その理由の一つです。今回の遠征の網羅的な撮影の一環になる対象でした。なので、枚数は少な目で、強調もごく控えめとなります。

さて、耳慣れないきょしちょうは、オオハシの仲間だとのこと。小マゼラン雲と全天で2番目に明るい球状星団NGC104で有名です。天の南極に近いところにあるので、かなり南までいかないと高度が上がった状態で撮影することは難しいようです。

大マゼラン雲には有名なタランチュラ星雲があるのですが、小マゼラン雲にはH-II領域はあるにはありそうですが、あまり目立ちません。その代わりに、青い星雲が点在しています。わが銀河系の近傍にあって、不規則銀河もしくはSm型棒渦巻銀河に分類されるそうです。撮影してみると、微光星の塊であることがわかります。あまり人気はないみたいで、作例が少なかったです。
BORG77EDII+F4DG (330mm/F4.3)
Canon EOS6D(SEO Cooled 6D; USB 5Vで弱冷却)+Filterなし ISO1600 6min x8(Total 48min)
GP2赤道儀(AGS-1S改) M-GEN Kowa 75mmでガイド
RAP2でFLAT&DARK→CS6でRAW現像後TIFF変換→SI7でコンポジット&カブリ補正→CS6で強調処理

とりあえずのめぼしいものにマークしました。






みなみのかんむり座に広がる反射星雲2017年06月12日 20:26

例年、梅雨になって撮りそびれる事の多かった、南のかんむり座の反射星雲を南天で撮影できました。高度が60度以上になって、モニターを確認するのに、首が痛くなりました。なので、構図はかなり適当となっています。

私には苦手の分子雲系で、どう処理すべきかと思いつつ、強調してみました。
やはり、苦手な対象ゆえに、墨絵風です。

BORG77EDII+F4DG (330mm/F4.3)
Canon EOS6D(SEO Cooled 6D; USB 5Vで弱冷却)+Filterなし ISO1600 5min x16(Total 80min)
GP2赤道儀(AGS-1S改) M-GEN Kowa 75mmでガイド
RAP2でFLAT&DARK→CS6でRAW現像後TIFF変換→SI7でコンポジット&カブリ補正→CS6で強調処理

IC4628(エビ星雲)2017年06月13日 19:53

さそり座の南部にある領域で、日本から撮れないわけではありませんが、低空にあるために単調な表現となりやすいです。今回、好条件の空でどこまで写りが違ってくるのか確認のため撮影してみました。今後の自分の南天限界撮影のためのReferenceとなる画像となる予定です。

IC4628のH-alphaは濃いのですが、その周囲には大変淡いH-alpha領域が広がっています。暗部も微妙な色が乗っているようで、どこまで残すべきか悩んでしまいました。撮影条件の違いで、大変良く写ってくれます。日本との大きな違いを感じました。でも、正解は結局のところわかりませんでした。
BORG77EDII+F4DG (330mm/F4.3)
Canon EOS6D(SEO Cooled 6D; USB 5Vで弱冷却)+Filterなし ISO1600 5min x13(Total 65min)
GP2赤道儀(AGS-1S改) M-GEN Kowa 75mmでガイド
RAP2でFLAT&DARK→CS6でRAW現像後TIFF変換→SI7でコンポジット&カブリ補正→CS6で強調処理