この南を撮りにいく2017年05月18日 12:20

今シーズンのさそり座の写真です。シーズンごとに、写ってくる惑星の違いがあります。今年は、へびつかい座といて座の境界付近に土星がいます。
今回はSIGMA50mm/F1.4Aで撮影してみました。いつものホームグラウンドだと、出目金が限界になります。
さそり座と言えば、夏の星座となりますが、日本国内ではもうすぐ来る梅雨のため、2ケ月近く撮影できません。梅雨明けには、既に西に傾いてしまいます。フォトジェニックなさそり座なので、毎年チャレンジするのですが、不完全燃焼になります。また、南に低いのでクリアな写真になりにくいです。

今回は、大人しめの処理でナチュラル感を出しました。

撮影データ:Canon EOS6D (SEO-SP4) ISO1600 
SIGMA 50mm/F1.4 Art 絞りF2.8  150 sec x16 (total 40min)
SKY MEMO NS でノータッチガイド
RAP2でダーク処理→CS6でRAW現像TIFF化→SI7でコンポジット&カブリ補正→CS6で強調と補正処理

来週は、南半球でこれを撮影する予定です。どうかお天気に恵まれることを天にお祈りしているところです。

いよいよ明日出発2017年05月23日 18:14

明日、いよいよ出発となりました。
JETSTARでいくのですが、LCCのため、色々と制約があります。受託荷物は40Kg まで(通常20Kg をオプションで増やしています)。機内手荷物は7kgまでとなっています。

今回、欲張って赤道儀とポタ赤を持っていくので、それだけで結構な重量になります。かなり、減量して40kg以内に収めました。持っていくデジカメは6D二台です。一台は冷却できるものです。冷却はUSBの5Vでいい具合に10度以上低下してくれます。消費電力も5W少々で、モバイルバッテリーでの運用ができます。
問題はレンズでした。望遠鏡はBORG77EDII+F4DGで、カメラレンズは今回はAPO sonnar, EF8-15mm/F4Lがメインです。EF35mm/F1.4 L-IIやSIGMA 50mm/F1.4 Artなどは、重くて重量制限にかかります。それこそ、着た切りすずめにまでしないとダメでした。やはり、4夜を過ごすので、それなりの防寒や腰痛対策をしないといけないので、レンズを外さざるを得ませんでした。パンケーキのEF40mm/F2.8を持っていくつもりです。

気になるお天気ですが、予報はばっちりです。不安はありますが、テンションが上がります。



無事に戻りました。2017年05月31日 20:12

南天遠征から、戻りました。

月曜の夕方に関西国際空港に到着し、その後夜行バスに乗って、四国まで戻りました。昨日は引き続き、お休みをもらっていました。昨日午後には、四国に遠征されたGENTAさんと、大三島の西のかなたさんの訪問もあり、天文談義で楽しく過ごさせてもらいました。私のホームグラウンドである観測小屋も見てもらいました。

南天の星々は、日本で見る星とは次元が異なっていました。光害がないので、どれだけ暗いのかなと想像していたのですが、この季節の南天は暗夜というイメージとは全く違いました。まず、明るくコントラスよく見える(輝くと言っても良い)天の川に驚きました。天の川のアーチが天頂付近に昇ってくると、星明りで自分の影が見えます。この星空を見ることができただけで、遠征の目的の半分以上果たせたと感じました。普段国内で、光害の少ない四国の空で撮影しているのですが、それとも比較にならない凄い空でした。普段の自分は、PM2.5にまみれた汚い空気の底から星をみているのだと感じました。

一方、液晶モニターに映し出される画像は、カブリのないハイコントラストの画像がポンと出てきます。こんな好条件の空で撮影することができたのは初めての経験です。今回の遠征での成果ですが、初めての遠征で色々と対策を練っていたのですが、いくつかトラブルが生じて、計画通りの撮影を進めることができませんでした。反省と課題を残した初めての遠征となってしまいました。おいおい、その辺の事情について述べていきたいと思います。

本日アップする写真は、暫定処理のものですが、基本的には空が良いので、強い処理をしなくとも、そこそこ見ることのできる写真になってしまいます。暗い空、明るい星とのコントラストが良好で、SN比のきわめて良好な画像データを得ることができます。カブリも少ないので、カブリ補正が要りません。日本で撮るのと比べると、光害、PM2.5の少なさを実感しました。

アップした写真のイメージは、比較的早い時間帯の南天銀河とさそりまでを魚眼で収めてみたものです。イーターカリーナは肉眼でもこの辺かなとわかります。そして南十字とコールサック。さそり南部につながる暗黒帯が見えて、大変興奮しました。この感動を文章でうまく表現できないもどかしさを感じます。
撮影データ:Canon EOS6D (Starshop新改造) ISO1600 
EF 8-15mm/F4L 15mm 絞りF4 3min x2を加算 (total 6min)
SKYMEMO S ノータッチガイド
CS6でTIFF化→SI7でコンポジット→CS6で仕上げ

大変暗い空で、コントラス良く写るので、背面モニターの見え方で、つい露光を控えてしまいました。F4だとISO1600で6分程度を標準露光とすべきでした。3分露光だと、ヒストグラム上では露光が全然足りていません。そこで、3分露光2枚を加算したデータを処理しています。なので、ほぼ一枚画像のデータと同じです。それほど強調せずとも、調子を整えるだけで、ここまで写ってくるのは驚異です。さそり座東部付近が明るいのは対日照かもしれません。もう少しデータがあるので、フラットやダーク引処理をしたものをコンポして、完成版を作っていく予定です。今回の画像データは不備のあるものが多くて、どこまで救済できるかというのが多いです。

今回の遠征を実現することができたのは、徳島のHさん、香川のAさんをはじめとして、たくさんの方々のおかげでした。この様な素晴らしい星空と出会うことができて、大変幸せな時間を共有することができました。この場を借りて、深謝したいと思います。
また、ブログやSNSで交流のあったYさん、Naさん、Niさんにもお会いできてうれしかったです。その他参加された方々にも、御礼を申しあげます。それぞれの方の南天の取り組み方も、大変興味深く、新たな楽しみ方を示唆されました。正直言って、今回の遠征は、反省と課題の多いものとなりました。成果については、本当にイマイチとなってしまいました。これは、また南天の星々が雪辱に来なさいと言っているのだと考えています。また機会があったら、是非とも行きたいと願っています。