(構図をはずした)おうし座分子雲の一部2014年10月05日 20:27

APO SonnarのF2の明るさを生かして、冷却CCDでの撮像を試みました。10月は多忙で、なかなか画像処理まで手が回りませんが、台風接近中の日曜午後に処理を試みました。

以下は自分の覚えです。
今回の処理の大半はSI-7で行いました。
①DARK画像を作成
②FLAT、FLAT DARKを作成する。(ELパネルでのフラット作成)
③L画像、RGB画像のFLAT処理をする。
④加算平均でコンポジット処理(SI7の位置合わせは、バージョンアップ後大変良くなった)
⑤とりあえず、傾斜カブリの補正、レベル調整をして、デジタル現像、いつもながらパラメーターは良くわからない。
⑥RGB合成をする。
R画像の星が大きめで、色収差が少ないとは言え、解放では赤のピントが少し違うようである。Rのコンポジット画像を少し星を小さくしてコンポジットした。ここでも、位置合わせは自動で行う。
⑦RGB画像に対して、オートストレッチで、背景をニュートラルにする。デジタル現像で、色彩強調をする。
⑧LRGB合成をする。この際、L画像とRGB画像のレンジ比は、4:1程度でした。
⑨合成画像をTIFF化した後、Photoshopで調整する。

135mmなので、あまり厳密に構図をとらずに撮影して、大きくはずしてしまいました。Maxim LEで出てくる画像では、淡い部分は見えないので、処理して、構図の失敗がわかりました。次回からは、ファインダーで画像の中心をきちんと把握できるよう にして、撮影します。
撮影データ:QSI583WS Astrodon Tru-balance Generation 2E-Series
APO Sonnar 135mm/F2 絞り解放 L:5min x12, RGB: 5min x3 (総露出時間105分)
EM200 (AGS-1X改) Famisco60改 +DSI-Pro PHD Guidingでのオートガイド

APO Sonnarでの撮影自体は、大変軽量なので、お気楽撮影でした。ガイドもあまり気遣いなしで大丈夫です。
フォーカスは、Rでのずれをどうするかですが、解放から使えそうな気がします。
QSI583は、フォーサーズサイズのCCDの大きさですが、やはりいつかはフルサイズと思ってしまいます。しばらくは、物欲を抑制して、フルサイズCCDへ移行できるようにしたいと考えています。
画像処理に関しては、もう少し試行錯誤が必要な気がします。今回、F2解放で2時間弱でも、そこそこ写っているようなので、この組み合わせによる速写性で、秋から冬の対象を試してみたいです。

この夏の西日本のお天気は最悪でした。ほとんど撮影できませんでした。なんとか、秋冬には撮影したいものですが、仕事が立て込んでおり、新月期に撮影できるように、しばらくはがんばります。



秋の銀河2014年10月05日 20:44

秋の銀河をSIGMA50mm Artで撮影したものです。本来であれば、もう少し広く撮影できているのですが、花形のレンズフードの向きが間違っていたようで、隅のほうに暗部が出てしまい、泣く泣くトリミングしました。
撮影データ: Canon EOS6D(SEO SP4) ISO1600 
SIGMA50mm/F1.4 絞りF2.8 2min x12 気温18度
EM200赤道儀(K-ASTEC AGS-1X改) Famisco60改+DSI-Proで PHD Guiding
RAP2でダーク&フラット→CS6でRAW現像→SI7でコンポジット&カブリ補正後TIFF化→CS6で仕上げ



久しぶりの皆既月食2014年10月09日 12:12

3年前は、出張でじっくり見ることができませんでした。今回は、仕事が終わるかどうかのタイミングでしたので、軽量装備を車に積み込んで出勤しました。

皆既が始まる頃には、うす雲もなくなり、赤い月が見えます。職場近くの河川敷まで移動して、GF50に、BORG60EDを展開して、簡単撮影です。撮影開始まで3分でセットできました。
焦っていたのか、JEPG撮影のみです。
皆既終了時の写真です。記念写真なので、まあ良しとします。双眼鏡で眺めた、皆既時の月の色のグラデーションが印象的でした。
撮影データ: Canon EOS KISS F(無改造) ISO200
BORG60ED+ TAKAHASHI C0.72X 2秒露光
K-ASTEC GF-50 ノータッチガイド
JPEG撮影トリミングのみ



新しいフラットでSh2-1402014年10月13日 15:26

台風最接近中です。
大雨の状態ですが、太平洋岸ほどの風雨は瀬戸内海側ではありません。四国山地が、台風の風雨を受け止めてくれるおかげです。

今日は、先日妙なノイズで、途中で処理をあきらめていたSh2-140を、新たなフラットを作成して再処理しました。元の画像が、少し露光オーバー気味 で、以前作成したフラットとは、かなり輝度が違っていました。今回は、元のデータのRGBの輝度に合わせたフラットを作成してBayer Mergeで合成して、新しいフラットとしました。フラットダークも作成して処理しました。
15枚の画像のコンポジットも、バージョンアップされたSI7.1の自動位置合わせのおかげで、すんなりとコンポジットできました。DSSよりも、コンポジットの時間が短くて気にいりました。
処理のお手本は、天文ガイド11月号に掲載されたsloさんの作品です。あの作品の透明感や淡いところの出し方は、私には到底無理でした。もう少しコンポ枚数を増やしてノイズを低減させる必要性も感じました。

撮影データ: Canon EOS60D(Central DS改) ISO1600
BORG77EDII+F4DG (330mm/F4.3)+HEUIB-II 7min x15
EM200赤道儀(AGS-1S改) Famisco60改+DSI-Pro PHD Guiding
RAP2→CS6でRAW現像→SI7→CS6

フラットはマメに作成したほうが、好結果となるのが、今回の処理で良くわかりました。

追記
台風は、足早に四国を通り抜け、京阪神、東海方面に進行しているようです。当地では、大丈夫でしたが、進行方面の方々は、お気をつけください。

ぎょしゃ座の淡い散光星雲群2014年10月14日 12:41

カペラの南にある、淡いSharplessナンバーをアップします。
PM2.5の影響が大きいので、LPS-V4のテストをかねて、赤い星雲を撮影したものです。

これは、GENTAさんの2010年に最優秀作品になった作品が強く印象として残っていました。ぎょしゃ座を写すと、「まがたま」なんかは良く写ってくれますが、こちらは印象になかったです。
実際撮影してみると、かなり淡くて大変な対象であることがわかりました。一晩か二晩かかり、もしくは冷却CCDでもH-alphaを組み合わせて撮影すべき対象と思います。

撮影データ: Canon EOS6D(SEO SP4) ISO1600
BORG77EDII+F4DG (330mm/F4.3)+LPS-V4 10min x17
EM200赤道儀(AGS-1S改) Famisco60改+DSI-Pro PHD Guiding
RAP2→CS6でRAW現像→SI7→CS6

星雲の番号を入れたものです。

星雲の形を知りたい方は、GENTAさんのHPの写真を見ると、良くわかります。形はおもしろいのですが、写しとるのは、大変だと思います。